2012年1月24日火曜日
家族が増えました!~箱入り娘が嫁に来る~
ベースを買いました!Fender USA 1966年製ジャズベースです。
俺の天才的なカメラワークの下手さで写真がボケていてすみません。
66年、丸ペグ、ブロックポジション等、色は違いますが偶然にも亀田誠治さんのジャズベースと同じ時期のものになりますね!たしか・・・
渋谷のイ●バシ楽器さんでショゥケースに眠っていたものを男買いしてきました。
メインのmomoseよりもっと!もっと良いジャズベースを探そう!という事で渋谷新宿等の都内から神奈川県も視野に入れて色々この間から奔走してたわけなんですが、たまたま一番初めに弾いたこのベースが本当自分の理想に近くて、その後色々な個体を試しましたが結局コイツに戻ってきました。
実は他にも3本ほど候補があったんですがね、それぞれ音の傾向が違っていて、今の音楽やるならコイツだろう!と。この先戦う決心をしてきました(色々な面で)
今回本気でヴィンテージものを探して分かった事は、本当に個体個体で音が違うのだということでした。
年代でもかなり違うとは思うのですが、今回視野に入れていたのは64~69までの間。70~も試しに弾いてみましたが、これも又カナリ音が違いました。
じゃあどう違うんだよと問われると、楽器屋さんでもリペアマンでもないいちミュージシャンの自分にはうまく説明出来るかわかりませんが、主に違いが分かれてくるのは
・低音
・鳴り
・粘り
・コンプ感
・ベロシティ差による音の出方
この辺りだったように感じます。
まず低音。これはもう一聴瞭然。各個体が持っている低音感はまるで違います。一音の中に含まれる低音成分の量というか。
もしくはEQでいうところの、どこにフリーケンシーを置いてブーストしているか。っていう感じでしたね。
人間の耳で、ベースで分かりやすく低音を感じる所って多分80~150の辺りだと思うんですが、ここがかなり分かれました。
めちゃくちゃド太く出てくる奴もあれば、意外と抑え目の奴もいたり。自分はその中では上から2番目に太く感じたベースを買いました。
個人的にその部分が出ていれば出ているほど良いんじゃないかとも思ったんですが、1番太かったベースはお値段も二倍以上太かったですし、逆に主張が強すぎる故にジャンルを選ぶんではないかなと思いました。
ですので凄く出音は良かったけど除外。いや、まあ、高かったしね。
次が鳴りですね。
これも結構個体差があって、専門家じゃないので正直よく分からないのですが、鳴るから良いってわけじゃないのは今回試してみて気づきました。
木が鳴るってのをもしかしたら誤解してるのかもしれないんですけど、木の中の水分率が減りに減ってカラカラに乾いた木は重量もかなり軽くて良い音してたんですが、その分サウンドも軽い方向にいった個体が多かった気がします。
軽いって言っても現行品なんかよりよほど音は締まって出ているんですが、先ほど言った音のピークがもうちょい上に、150~250の方にズレていってる感じがしました。
故にローというより、ローミッド、ミッドが強いようなイメージ。
これは別にそれが悪いんじゃなくて、乾いたファンクとか、モータウン系の音を出したい時にはベストマッチするんじゃないかと思いました。
ちなみに今回試した個体の中では64、65年製のベースに特に多かった気がするので、66年より前のベースはかなりそういう音が強い傾向にあるのかもしれません。理由は、わかりません。
次が粘りですね。
粘りの定義もよく分からないんですが、例えば3弦からグリスアップしていって2弦の音に到達したいようなフレーズの時に音が後を引くかどうかってところが粘りなんじゃないかと思って色々試してみました。
これに関しては割と明確で、60年代終わりに近づけば近づくほどこの粘りは無くなってスッキリしていくような感覚がありました。70年代はカコーンと抜けるようなイメージがあるのはそこなのかもしれません。
スラップや早い16ファンク、フュージョン系辺りをやる時は70年代が向いてる気がします。事実、師匠の宮下智も70年代のJBを愛用しています。
自分はフィールドが基本はロック・ポップスなので、今メインにするのはやはり60年代。
その中で粘っているけど、粘りすぎない辺りを狙いました。
コンプ感なんですが、これも70年代に近づくほどその傾向が強くなってきました。
音を弾くとある一定で抑えられる感じ。
これもやるジャンルはプレイスタイルによっては狙ってその個体を買うべきだと思います。自分のはどこまでも抜けていくようなイメージのサウンドです。
ベロシティ差による音の出方はそのままで、強く弾いたらどう鳴るか、弱く弾いたらどうなるかです。
年代でザックリ言うと、古ければ古いほど弱く弾けば音像がぼやける気がしました。
しかしそれも指の場合の話で、ピックになるとそこは気にならなくなる程度ですし、ぼやけるのも悪い事ではない気もします。
ただ古くて良いベースであるほど、そのベロシティ、ダイナミクスの段階が増えていくような気がします。
じゃあ60年後半とか70年は悪いのかって言ったらそうでもなくて、差はなくなっていくけれど、その分さっき言ったようなコンプ感とリンクしてきて常に纏まった音が出てくる気がします。極論言うとパッシブとアクティブの音の出方のような感じ。
めちゃくちゃ長くなってしまいましたね。
そんなわけでその辺りを色々弾いて聴き分けつつ、今の自分に一番必要なキャラを選定していった感じでした。そして結果、あの66年製にたどり着いたと。そういうわけなんです。
プロミュージシャンでも66をメインに使ってる方は多いという噂を聴きますし(亀田さん然り)、さっき述べた通り音にバラつきはありますが現在のロック・ポップスには一番良い塩梅のベースが多いのかもしれませんね。
ちなみに出音のほうはまず写真見て分かる通り、状態が異常に良いです。ほぼフルオリジナルでこの見た目です。故に若い、歴戦戦い抜いたベースにはないフレッシュさがあり、でも年代相当の音の塊感、太さ、説得力があるという。ベース界の逆・芦田愛菜のようなサウンドです。
このベースはほとんど大事に仕舞われていた箱入り娘のような感じらしいので、1年後には相当音が変わるよとの事。
このベースと色んな現場に行き、共にドンドン変わっていけたいいなと思います。気分は数々の名シーンを共にくぐり抜けた相棒と初めましてした感じです。次元、行こうか。
ってなわけで早速レコーディングにもっていきましたー!
壮観ですね。勿論今回は66でバシっと決めてきました。世に放たれるのが楽しみです。
アンプは今回
ampeg B-15Sで。コイツも最高でした。そのうち買う。
長くなったのでアンプの話はまた次回にでも!